空売りは、証券会社から株式を借りて現在の市場価格で売却し、後で(できれば安い価格で)買い戻して返却する取引手法です。売値と買戻し価格の差が利益または損失になります。
空売りの仕組み
1. 証券会社から株を借りる(貸株料:流動性の高い銘柄で年率0.3〜3%、借りにくい銘柄は50%超も)
2. 借りた株を市場で売却
3. 株価下落を待つ
4. 安く買い戻す(ショートカバー)
5. 株を返却し、差額を利益に
リスクプロファイル
- 理論上無限の損失: 株価は無限に上昇しうるが、最大でもゼロまでしか下落しない
- 証拠金要件: 空売り者は証拠金(通常ポジション価値の150%)を維持。株価上昇時は追証が発生
- ショートスクイーズ: 大量に空売りされた銘柄が急騰すると、空売り者の買い戻しが株価をさらに押し上げる
有名な空売り事件
- ゲームストップ(2021年1月): 空売り比率が浮動株の140%超。Redditのr/WallStreetBetsが協調買いで史上最大級のショートスクイーズを引き起こし、GMEは17ドル→483ドルに。空売り勢に約200億ドルの損失
- フォルクスワーゲン(2008年10月): ポルシェがVW株74%を掌握。空売り勢がカバーできず、VWが一時世界最高値企業に(1株1,000ユーロ)
- エンロン(2001年): ジム・チャノスが会計不正発覚前に空売りし莫大な利益
規制
- SEC Rule 201(オルタナティブアップティックルール): 前日終値から10%超下落時に空売り制限
- 韓国: 2021年5月〜2025年3月まで空売り禁止——主要市場で最長の禁止期間の一つ
出典:SEC、FINRA、Bloomberg、FT