概要
PBR(株価純資産倍率、P/B)は株式の市場価格を1株当たり純資産(BPS)と比較する指標です。計算式:株価 ÷ 1株当たり純資産。純資産 = 総資産 − 総負債(株主資本)。
PBRの解釈
- PBR > 1: 市場が純資産以上に評価——将来の収益成長や無形価値への期待
- PBR < 1: 清算価値以下で取引——過小評価の可能性、または資産の質への疑念
- PBR = 1: 市場価格 = 帳簿価格
業種別ベンチマーク(概算平均)
- 銀行:0.8〜1.5倍(有形資産重視。2008年以降多くの銀行が1倍割れ)
- テクノロジー:5〜15倍(無形資産主体。AppleのPBRは約45倍)
- 公益事業:1.2〜2.0倍
- バイオテック:通常3〜10倍以上
歴史的背景
- ベンジャミン・グレアム『賢明な投資家』(1949年)でPBR1.0未満の株式購入を提唱
- ファーマ=フレンチ3ファクターモデル(1993年)が低P/B(バリュー)を超過リターン要因として特定
- 日本の「PBR1倍割れ問題」:2023年、東京証券取引所がプライム市場の約半数(約1,800社)にPBR改善を公開要請。日経225が33年ぶり高値に
限界
- 帳簿価格は取得原価ベースで資産の時価を反映しない
- 自社株買いが純資産を減少→PBRが本質的改善なく上昇
- 無形資産中心の企業は恒常的に高PBR
出典:S&Pグローバル、Bloomberg、東京証券取引所、Fama & French(1993年)